大地宅配とTTP・自由貿易、なぜそこまで“国産”にこだわるのか？

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農業団体と経済団体。

その利害は常に対立する。

TTP交渉参加を巡り、国を二分するかのような議論が続いています。

参加すれば、「国内農業は壊滅する！」、このように声高に叫ばれているのです。

農業は特別だ！いや、農業だって同じだ！このように決して交わることのない議論が続いているのです。

でも、これはあくまで既定路線。

自由貿易実現に向けてひた走ってきたのがこの間の歩みだからです。

これは有機農業の世界でも同じです。

2000年に制定された「有機JAS法」による有機認証制度。

これは「食の安全」のために作られた法律というよりは、国際貿易を円滑に進めるためのもの。

自由貿易を進めるための法律、そう考えた方が正しいのではないかと思います。

自由貿易が何であるかといえば、

「世界中の人が同じものを食べ、同じ服を着て、同じテレビなどを見る」。

究極的にはここに行き着きます。

それぞれの国の事情や文化などを考慮せず、すべて同じものと考えることが前提なのですから。

農業でも、各国がそれぞれの基準や法律で輸入品を規制すれば、それは自由な貿易を妨げるものとなってしまう。

有機JAS法にしても、日本の基準、韓国の基準、アメリカの基準・・・とやっていては、円滑な貿易は難しくなってしまうからです。

そこで各国共通の有機認証制度を作ることで、有機・オーガニック食品の輸出入を円滑に行うことにした。

これが有機JAS法の本性であると思います。

実際に現行の有機JAS法はアメリカのカルフォルニア州の法律をベースに作られているわけです。

でも、アメリカと日本とではそもそも気候条件が違う。アメリカは乾燥地帯、日本は温暖湿潤。

まったく気候条件が異なるのに、それをそのまま当てはめるのはあまりに乱暴。ムリがある。

食べものとは生命産業で”自由貿易に馴染まない！”、それが反対派の主張でもあるのです。

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有機野菜の大地宅配では、海外から安くて安全な有機食品をどんどん輸入することには反対の立場です。

国産にこだわり、輸入品はあくまで補助的なものとして捉えています。

また安全な食品を化石燃料をガンガン燃やし、二酸化炭素を撒き散らして運んでくるのは「いかがなものか？」という姿勢を貫いています。


だから大地宅配では「フードマイレージ」という尺度を用いて、食べものの移動距離を明らかにする。

そしてなるべく”国産のものを食べよう”と呼びかけているのです。

単に安全な食べものをカンタン・便利に食べるだけではないのが大地宅配の特徴です。

自らを「ソーシャルビジネス(社会企業)」と呼び、ビジネスを通して社会的課題を解決することを目的に事業を行っています。

こうした他団体にはない骨太な主張が、大地宅配が8万5千人の会員から支持されている理由の1つでもあるのです。

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