有機野菜の宅配注文・大地宅配/大地を守る会　“これは禁止！”の農薬編

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安全で安心な野菜を食べたい。

そうと思って調べてみると、結構難しい言葉によく出会います。

化学用語だったり、カタカナが羅列した難しい農薬の名前だったり、調べようと思うと結構な労力と気力が必要になります。しかもたくさんあるので、それだけでもイヤになってしまう。

そんな経験があるのではないでしょうか？

でもそれは当然で、あなたが悪いわけでも、常識がないからでもないのです。そんなものは化学者でもない限り、知らなくて当然なのですから。

安全な食べものを手にしようと思えば、大変な労力を強いられる。本来考える必要のないことまで思わざるを得ない。

それが今の私たちの｢食」を巡る状況なのでしょう。

ここでは、有機野菜の宅配業社を選ぶのに必要な特徴的な用語だけに絞ってカンタンに学んでいきましょう。

具体例として大地を守る会の大地宅配を例にして述べてみたいと思います。

大地宅配のＨＰや注文用カタログなどをみると、結構な割合で“土壌消毒剤を使わない”といった記述に出くわします。

土壌消毒剤なんていうと、“何のことだろ？”、“難しそう･･･”、“そういうのいいからとにかく安全なものを頂戴！”､そんな風に思われるかも知れません。

でもこれを知っておくと、宅配で注文する際、スーパーなどでのお買い物の際にも便利。他の農薬にない特徴があるからです。ちょっとだけ考えてみましょう。

農薬というと、虫に野菜が食べられているから撒くもの。病原菌が野菜に広がったから使うもの、そのように思われているのではないでしょうか。

“このままじゃ全滅してしまう･･･”、“何とか食い止めなきゃ！”、このことから殺虫剤や殺菌剤は使われるものだからです。

でも、「土壌消毒剤」だけはこれとは違う。明らかに特徴が異なるものだからです。本当は使いたくないけど仕方がないから使う。そうした性質のものではないのです。

ハッキリいって「確信犯」。虫や病気の被害など何も出ていない状態で使われる農薬だからです。

土壌消毒剤は、タネを撒く前、苗を畑に植える前に使われる農薬です。この段階で虫や病原菌の被害は一切出ていません。何の被害も一切ない状態で土に打ち込まれます。いわば「毒ガス」です。

土にはたくさんの微生物が生息しています。土の中で収穫後の根っこの残りや土の上の落ち葉､動物の糞尿などを食べて分解してくれています。

土壌消毒剤はこうした菌､微生物たちを根絶やしにする目的で打ち込まれる農薬なのです。

“なんでそんなことをするの？”と思われるかもしれませんが、これには“土作り”と深い関係があるのです。

土は根っこを支えるだけのもの。現代農業では土をこのように考えられています。根っこを支えるだけのものだから、何をしても構わない。基本にはこうした考え方があるのです。

前章で化学肥料は土を冷やし固めてしまうことについて触れましたが、普段から土を軽んじ土作りを怠っていると、土は病原菌の温床になってしまいます。そうした土の上にタネを置き、苗を植えても、虫や病原菌の餌食になってしまうのです。

この事態を回避する目的で土壌消毒剤を土に打ち込み、まず初めに菌や微生物のいない世界を作り上げる。そうして生命のいない土の上に初めてタネや苗を植える。このために土壌消毒剤は使われるのです。

大地宅配では土壌消毒剤の使用を禁止しています。理由は普段から意識して土づくりを丁寧に行っていれば、この農薬は使わないで済むものだからです。

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有機質の肥料を使い、柔らかく温かいフカフカの土作りを意識して行っていれば､土壌消毒剤を使う必要はそもそもないからです。

スーパーなどにいくとキレイなスベスベの肌をした大根などを見かけますが、あれは土壌消毒剤を使った証でもあります。どうしても大根などの根物野菜は土の中の「線虫」と呼ばれる菌の被害に遭ってしまいやすいのです。

その線虫たちを土壌消毒剤で一掃する目的で使われます。毒ガスで根絶やしにしているからこそ、あれだけ肌がつるつるの大根ができるのです。

反対に自然食品店や自然食団体の大根はあまり肌がキレイじゃないものを見かけることもあります。

それは土壌消毒剤を使っていないからデコボコしたり、皮が荒れた状態になるのです。

線虫被害を防ぐことは難しい面があります。これを防ぐには化学肥料や農薬を極力使わずに、温かく柔らかい団粒構造の土作りを時間をかけて行わない限り、防ぐのは難しいものなのです。

当然毒ガスだから、食べれば人体にダメージがあります。農薬は使われた時の状態のままではない。空気中の酸素と化合し、酸化していく。

それにより新たな強い毒性を生むことだってあるのです。

例えば、畳のい草などに使われる殺虫剤に「スミチオン」というものがあります。これが酸素と化合すると、「スミオキソン」という物質に変化していきます。

スミオキソンの神経毒性はスミチオンの1万倍にも上るといわれているのです。

大地を守る会の大地宅配では、土壌消毒剤を使うことを禁止し、時間をかけて土作りを行うことを生産者と約束しているのです。

ツルツルの肌の大根が安い値段で売られいれば、土壌消毒剤が使われていると考えてまず間違いないでしょう。

大地宅配の大根はあまり肌がキレイじゃないものも中にはあるけど、それはこの農薬が使われていないことの証でもあります。

有機野菜の宅配で注文をする際には、こうした特徴にも注目してみると良いと思います。

また土壌消毒剤に対して菌たちは、“やられっ放し”のままでは決していないものなのです。

菌や微生物はこの薬剤への耐性を獲得し、次第に同じレベルのクスリの強さでは死ななくなっていくのです。「薬剤耐性菌」と呼ばれます。

耐性を持った菌に対して、土壌消毒剤の毒性をより強くする。より多くを殺すためにより強い薬剤を使う。

そうしてできた野菜を私たちは食べ、体内に薬剤を蓄積させていく。

こうしたイタチごっこが終わらないのが現代農業の現実です。土壌消毒剤を使わなくても充分、野菜を作れるのだから、こうした悪循環を絶っていく必要があると思います。

こうした理由から大地宅配では土壌消毒剤を禁止しているのです。

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